株式市場とは?
株式市場には、大きく分けて2つの役割があります。
1.会社が新たに発行した株を購入する人を見つける役割
2.既に発行された株式を売買する役割
株式市場ができたのは、この2つのニーズに応えるためです。
「1.会社が新たに発行した株を購入する人を見つける役割」を果たす市場を発行市場と呼び、
「2.既に発行された株式を売買する役割」を果たすを流通市場と呼びます。
発行市場としての株式市場
発行市場の例を挙げると、株式会社Aが新たに株式を発行し資金を調達したいと考えた場合、株式を購入してくれる人=出資者を探さなくてはなりません。小さな会社ですと、友人、知人に出資してもらうようにお願いすることも可能ですが、会社の規模が大きく調達額も大きくなった場合、それでは間に合わないこともあります。
そうなると株式会社Aは途方にくれてしまいますね。せっかく資金を調達して会社を大きくしようとしてもできない。また資金がなくなって倒産、なんていうことにも起こりうるかもしれません。
このように会社の規模が大きく多額の資金が必要になってきた場合、広く一般から出資者を募集しなければいけません。その資金調達の場所となるのが発行市場の役割です。いわゆる新規公開株がこちらにあたります。
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流通市場としての株式市場
流通市場の例をあげますと、株式会社Aの株主Bさんが株式を売りたいと思った場合、Bさんは買い手を探さなければいけません。自力で買い手を探すとなるとなかなか買い手が見つからなかいこともあるでしょう。また足元を見られて非常に安い金額で買い叩かれてしまうかもしれません。また株をなかなか売却できないとなると、新規に発行された株の買い手がいなくなる可能性があります。
そういったことを防ぐため、公正な立場で売り手と買い手をマッチングさせ、既に発行された株式の売買を助けることが流通市場としての株式市場の役割です。一般に株式市場といった場合、こちらの流通市場を指すことが多いです。 |
株式市場にはこの2つの役割があることを覚えておきましょう。
証券取引所
この株式市場の2つの役割を担うのが証券取引所です。日本には東京・大阪・札幌・名古屋・福岡の5つと、主にベンチャー企業が上場するジャスダック(JASDAQ)証券取引所があり、東証には1部、2部、マザーズの3つ、大証には1部、2部、ヘラクレスの3つの市場があります。
これらの証券取引所で売買できるように登録されることを上場と言います。東証1部上場企業という言葉を聴いたことがあると思いますが、これは東京証券取引所1部に登録されており、株を売買できる企業ということです。証券取引所に新規上場することで、日本ばかりか世界中の人から出資者を募ることができます。すばらしいシステムですね。
しかし、それぞれの証券取引所には上場基準という登録されるための基準があります。一般に広く出資者を集めるには、ある程度の基準をクリアした会社ではないと出資者のリスクが大きくなりすぎるからです。上場されている企業はそれだけ信用と実績がある企業といえます。上場基準は1部のほうが2部よりも厳しくなっています。東証マザーズや大証ヘラクレス、JASDAQは新興市場ともよばれ、上場基準は更に甘くなっています。その分、実績には欠けるものの新しく勢いのある企業、これから成長していくであろう企業が多く上場されています。
この上場基準を捉えて、東証1部企業の株はローリスク、新興市場の株はハイリスクといったことが言われます。
確かに上場基準の厳しさから考えれば、新興市場に上場している企業よりも東証1部に上場している企業の方が安心だと言えるでしょう。ただし個々の企業を見ると必ずしもそうとはいいきれません。今後成長が見込めそうもない産業の東証一部上場大企業の株よりも、これからどんどん伸びそうな分野の新興市場上場ベンチャー企業の株のほうが、ずっとリスクが低い場合もあります。株を買うということは企業の一部を買うことという原則を忘れずに、現在の状況を把握するとともに、その企業の未来を予測することがより重要になってきます。
株式市場について理解できたでしょうか?では次は株式投資の心構え
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